トヨタ 86


トヨタホームページより画像引用(http://toyota.jp/86/index.html)

 2月2日、ついにデビューしたトヨタ86であるが、実車を体験できるのは、本稿執筆より、もう少し後のことになるため、現在、まだ試乗を行っていない。しかし、東京モーターショーで数多くの人の注目を集めた1台であり、その登場を待っている方も多いと思われる。また、このような小型のスポーツカーが登場することで、自動車の世界の変化も現れそうだ。今回は、車のスペックはひとまず置いといて、トヨタ86の登場による影響というものを、主に書いてみたいと思う。

 個人的にはトヨタ86についての懸念がある。現在、新車がオーナーの手元に届く前の時点なので、マスコミも、モータージャーナリズムもおおむね好評で、注目度も高く、期待されているといえるだろう。
 だが、トヨタ86が日本の道路で見ることができるようになってから、「こんなはずじゃなかった」的モータージャーナリズムの批判にさらされる危険性も持っている。評論家どもが、手のひらを返したように酷評するのである。雑誌の書評を情報源としている、ことさらに若い世代は、そういうものに影響されやすい傾向があるから、トヨタ86を悪い車と思い込んでしまうかも知れない。そして、生産台数にまで悪い影響を及ぼす。
 筆者はそれを心配している。
 このようなスポーツカーというのは、多かれ少なかれ、癖というものがある。それを「味」と考えるか、「粗」と考えるかは、実際に乗った人でないとわからないだろう。
 たとえば、トヨタ86に搭載されているエンジンは、カタログスペック上、自然吸気の水平対向4気筒で200psを発生する。この数値は、ターボで300psを発揮するのは別格としても、4気筒2リッターとしては、ホンダVTEC勢に及ばないだけでなく、身近なとことでは、かつてアルテッツァに搭載されていた3S-Gの210psと比べても低い。しかし、この出力にしたことは、スポーツカーの底辺層の拡大を狙ったものだろう。車を操る楽しみを感じるとなると、ハイパワー過ぎるのも考えものなわけで、ドライバーが扱いきれる程度の出力か、むしろ足りないくらいがよく、限られたパワーで速く走らせることを覚える方が、運転技術の向上につながる。トヨタ86の低重心ボディー、コンパクトさ、軽量であることから、この出力は、なかなかいい線をついていると思う。
 価格は最上級のGT Limitedで300万円弱と、それほど安いわけではない。けれど、若い世帯を、車趣味に戻すきっかけにはなるだろう。
 また、トヨタ86が売れることによって、チューニングメーカーも活気づく。車で個性を主張したい人は、世代を問わず必ずいる。足回りやエンジンのチューニングパーツが、再び売れるかも知れない。また、トヨタでは、「AREA 86」という店舗を設け、スポーツカーに関する、コミュニティーのスペースを提供する予定である。手法自体は過去にないわけではなかったが、自動車を走らせることが好きという潜在層の拡大を目指している点で、注目している。筆者としては、かつてのネッツカップのようなトヨタ86によるワンメイクレース開催にまで繋げられればよいのでは、と思う。
 トヨタ86が売れれば、自動車業界の勢力が一変する。中古も含め、10年前のスポーツカーが再評価されるかも知れない。運転技術を磨こうと試みる人も増えるかも知れない。
 つまり、車に関わる人々の指向を一変させる可能性を持っているのだ。
 だから、トヨタ86は要注目なのである。

・スペック
 全長×全幅×全高:4240mm×1775mm×1300mm
 車両重量:1230kg~1250kg
 エンジン:FA20(水平対向4気筒直噴DOHC)
 最高出力・トルク:147kw(200ps)/7000rpm 205Nm(20.9kgm)/6400~6600rpm
 駆動方式:後輪駆動
 価格:\1,990,000~3,050,000

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2012年3月2日 | |

カテゴリー:トヨタ

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